第33回青梅マラソン 回想(快走)録(UPDATE:1999/2/28)
まあ物には話の順序があるので、まだお読みでない方は31回からお読み下さい。
マ・マーパスタカーボローディングパーティ編
「前日」
みなさんはゼッケンの引き換えは青梅マラソンの前日の15時からもやっていることを知ってますか?
当日は30kmの部ですと11時までに、河辺小学校で引き換えを済ませねばいけない訳でして、かなり早めに青梅入りをする必要があります。まあ、場所にもよるのですが前日に引き換えが可能であるなら、前日から青梅のお祭り気分を楽しむのもいいのではないかと思いまして、今回はこの前日のパスタカーボローディングパーティのお話をちょっといたします。
パーティは14時00分から1時間の第1部と15時30分から1時間の第2部とありまして、この1時間は更に20〜30分全員入れ替え制のパーティとなっているようです。
今回のレポートはこの15時30分からの第2部でして、15時14分に河辺に着いた僕はまず、ゼッケン引き換えのため体育館へ直行。
「謎」
体育館を入ると正面に何やら人の山…。あとからこの山がなんだったのかを知ることになるが、ゼッケン引き換え会場を探して奥へと進んで引き換えの列に並ぶ。
5分ほどで、無事”8131”のゼッケンを手に入れて体育館の外へ排出される。
引き換え終了者の列は右に折れ、体育館裏手へと続いていく。素直な僕もパスタを頭に浮かべて着いていくと…。
ありましたありました!パスタカーボローディング会場の看板!
会場入口から既に20mくらいの列ができていて、最後尾のプラカードを持ったガードマンがいたので、そこに並ぶとあれよあれよという間に僕の後ろにどんどん人が並んでいく。
と、その頃になって自分が周りの方々と一部分が違うことに気が付く。
前にいるお父さんにも、その奥さんにも、その子供にも、横にいるお兄ちゃんにも、後ろにいるおっさん達にも、僕以外のみーーーんなには「参加証」と印刷されたカードが首の下で揺れている…。
「動揺」
これがパーティ入場に必要なものであろうことは鈍い僕の頭でも察しはついてくる。
しかし、会場入口まではあと10m、列の最後尾までは20mだ、ここで列を離れるのは得策ではない…。「ここはしばし様子を見よう」と幾分涼しい首を気にしながら、動揺を押し隠し列に並び続ける。
そんな僕を知ってか知らずか、前方でガードマンが…
「えーっ、参加者証はちゃんと首からぶらさげてお並びくださーい」
キャーー!何ていう非情のライセンス!天知 茂!(わかるかこのセンス)
今頃、そんなこと言うてはイカンゾー、「ちゃんとぶらさげろ」って言ったってぶらさげるもんないんだぞーー。
そして、追い討ちをかけるように列の前の方から係りのお姉さんがみんなの参加者証に○を付けてながらやってくる。
「証」
冷静に考えろ、お前は正規の青梅ランナーだ、参加者証がなんだ!俺はパーティに出る権利があるはずだ。この事実を伝えお姉さんに参加者証を何故か持ってない僕を受け入れてもらおう!と言うような論理をコンマ5秒くらいで整理して、青梅ランナーの証(あかし)であるこの黄色いビニール袋(ゼッケンの入っている袋)をお姉さんの目に止まるよう右から左に持ち替え、なるべく堂々と並んでみる。
つまり、参加者証などという俗物的なものをまったく知らない堂々と並ぶ純真な青梅ランナーをそこに出現させたのである。
「同志」
程なく、ぼくの前に立ったお姉さんに「そのカードはどこでもらえばよかったんですか?」などと聞くと「体育館の入口受付で…、でももう随分と並ばれましたよね…」とやさしいお言葉!(オーーッ!あの人の山!)
僕の横のお兄さんも、声には出さないけど、「そう、この方は純真な青梅ランナーでずっとちゃんと並んでたんだからここで取りに行かせたら可哀相ですよ!」とでも言っているかのように肯いて下さっている。(いやそんな風に見えた…)
おおっ、さすが我が同志の青梅ランナーたちよ、君たちの友情は忘れない!
そんなこんなで純真な青梅ランナーは目出度く参加者証もなしにパーティ会場への入場を果たしたのである。
「歓喜」
会場のテント内にはミートソースのかかったパスタが湯気をもうもうとあげてあるでんて!
10個はある丸テーブルの上にはどれも黄色いバナナの山ができているではないか!
そして、奥の長テーブルにはコーラがズラーーーッと並んでいる。
日清製粉よありがとう!
日本バナナ輸入組合よありがとう!
東京コカ・コーラボトリングよありがとう!
会場では明星大学のバンドハヤカワの演奏やお楽しみプレゼントの抽選会なども行われパーティを盛りあげてくれた。
この抽選にも使われたPASTA CARBO LOADINGのブックレットには青梅ランナーの為のQandAもありなかなか使えます。
来年はまた違うのかもしれませんが、このブックレットの裏の右上にシールが貼ってあるとプレゼントがもらえるということでした。
青のシールがオリジナルTシャツ
黄のシールがオリジナルテレフォンカード
赤のシールがマ・マースパゲッティ
という具合でしたが、僕は残念ながらハズレでした。
青梅で会いましょう編
「仲間」
昨年暮れ、僕は「てけてけ」というランナーズクラブに所属した。
足も遅いし、土日も結構予定が一杯なうえ、拘束が嫌いなたちなので、走り始めてからもどこにも所属するつもりはなかったのだが、このホームページの早期からの読者であった「たいらー」氏が月間練習量100kmくらいのランナーのために旗揚げした「てけてけ」の練習に誘われ、そのまま所属してしまったのである。
確かに、たまにみんなで走るとそれなりに意識も高まり、日々の練習にも張りが出てきたのでこの「たいらー」氏のお誘いには今、本当に感謝している。
「波乱」
で、今回はこの「てけてけ」所属の誰が名づけた青梅トリオの一人として参加するつもりであった。
しかし、正月の練習の際、青梅トリオの紅一点の「なななな」は膝を故障し回復も間に合わず、ついに断念。なんと、主宰「たいらー」は前日になってインフルエンザウィルスに冒され、高熱にうなされながら、欠場を伝えて来るという大波乱!
一人、健康頑丈が自慢の僕が取り残されてしまったのであった。
「応援」
10:51に青梅についた僕には気に掛かっていることがあった。
本ページの読者で10kmに出場するという石川さんのレースの結果である。
6月頃より何度もメールを下さっていたが、練習量が思っていたほど伸びなかったので完走できるか心配であったのだ。
河辺の交差点に駆け寄るとメモしていた石川さんのゼッケンの次の女性が走ってくる。
あと、10分を切っているのでヤキモキしながら待っていたがお目当てのゼッケンはやって来ない。とうとう係員がランナー達に歩道に上がるように指示を出し始めた。石川さんが完走していることを祈って、体育館に向う。
(翌日、報知のwebと本人からのメールで56分2秒で完走していたことを知る)
「混雑」
体育館の中は相変わらず、大混雑!
僕は31回からの青梅しか知らなかったので、この体育館の混雑は悪天候によるものと思っていた。(31、32回ともに午前中は雨)
しかし、今回は快晴、つまりこの混雑は恒例のものであったのだ。
以前の快走録にも書いたが、男性の更衣室には何故か女性が多くいる。喜んではいけません、彼女達は決してここで着替えているわけではないのです。
つまり、ランナーの連れやランナーズクラブの仲間がこの男子用更衣室に集まってしまっているのである。
「提言」
ここは更衣室であって控え室ではないし、ましてや車座になっての宴会場ではない。
お祭り気分の青梅マラソンとこの体育館内の無秩序は切っても切れない関係なのかもしれない。
しかし、遠くから一人でやって来るランナーにとっては荷物の置く場所さえないこの体育館は失望させるものに違いない。
今年より、佐川急便がランナーの荷物の宅配サービスを開始し、いずれは荷物預かりまでの一環システムを考えてくれているそうだが、体育館の半分を更衣室、半分を荷物置き場にするなどとして、限られたスペースを有効利用して欲しいものだ。
「対面」
着替えを終わらせて、外の仮設トイレに並ぶと都合がいいことに(イヤ、本当はよくないが…)腹が痛くなってきた。
どうも本日は体調がよろしくないようだ、しかし涙を飲んだ青梅コンビ(青梅トリオの残り)の為にも完走をしなくてはいけない。(本人はもう「てけてけ」代表ランナーの意識)
固い決意を胸に、スタート位置に立ち係の人に「8131のオオタです!」と申告すると後ろから「オオタさん?」の声。振り返ると自分のゼッケンを指差しアピールする男性がいる。示されたゼッケンの名前を見ると「太田忠義」とある、おおっこれもメールを何度か交換した立川の超音波ランナー?太田氏ではないか!太田氏は僕より500番ほど前にも拘わらず、僕が来るのをここで待っていてくれたらしい。
固い握手をして、「頑張って下さい!」と別れた。
これだから、青梅のホームページはやめられない。
「号砲」
僕のスタート位置は本来のスタートより800mくらい後方のため、過去の2回ではスターターの音が聞こえず、正確なスタート時間が分からなかった。そこで今回は家を出る時に秒単位で時計を合わせてきた。
ところが今回はスピーカーから秒読みも聞こえて来るではないか!これならば、スタートと同時にストップウォッチを押せばよいわけだ。めずらしく準備しておくとこういうことが起きるものだ。
隣にはイラン人のABBASさんがいる、彼が言うにはこの1万2000人中、イラン人は2人だけだと言う。「頑張ってね!」と彼の背中を叩くと、手がゼッケンのIDタグに当たり、大丈夫かな(結構このIDタグが取れやすい)とゼッケンを見ていると…スタート!
数秒の後、動き始める。
「誰(Who are you?)」
どこからか、「ガンバッテ!ガンバッテ!」の声。
しかも、このイントネーションはどう考えても外国人のもの…
そうか、さっきのイラン人の応援を奥さんか仲間がしてんだなあと思っていると、スタート地点の特設台の上で金髪の女性が声援を送っている。
この声の主はボストン体育協会のフラミニオさんであった。この幾分、調子のはずれた声援に「オオウ!」と応え、市役所手前まで来ると「イッテラッシャイ!」の声!
これは青梅マラソン名物になってもいい声援であった。
フラミニオ理事には毎年来ていただきたいものだ。
「秘伝」
僕はこの青梅の後、3/28の荒川市民マラソンでフルマラソンに初挑戦する予定である。そんな訳で、このページを通して知り合った青梅のベテランランナーである、チャーリー黒川氏からフルマラソンへの挑戦方法を御伝授いただいた。
2時間前までに朝食(餅4個と納豆と梅干し)、1時間前にバナナ1本かチョコを1カケ、レースでは、前半後半イーブンペースでついて行けそうな、自分のスピードにあった若くて可愛い子を見つけられればしめたもの。
という内容で、餅も納豆も梅干しもバナナもチョコも大好きな僕はこれを全て実行しこの青梅のレースで実験を開始した。
「審査」
4km地点を超えたころ足の長い若い女性ランナーが僕の前に現れた。
彼女のスピードはというと、後ろから追い上げて来た僕の前にいるという点からすれば、少なくとも僕がイーブンで走れるかちょっと遅いかという感じである。
僕は沿道の人達の応援や差し入れを力にして走るランナーなので一貫して左側を走っていることが多く、この辺りの人の多さは誰かと一緒に走るというのは至難の業であり、面倒くさくなりまた、後で探すことにする。
5km地点でハイレグのエアロビスタイルでおしりを半分出して走っているランナーに追いつくが、喜んではいけない。何故ならこのおしりの持ち主は男性であるのだ。ゼッケンを見ても間違いがない、目眩を覚えながら、早く目に入らない所に行かねばと先を急ぐ。
「再会」
9km地点を超えたころだろうかトップとすれ違う。
「頑張れ〜」などと声を掛けていると、4km地点で見かけた例の女性が現れた。
どうも、後ろから追いつかれたらしい。
という事は、僕のペースが落ち、彼女が上がってきたということか?
よし、ひとつこの子に付いていこうと決心をする。
ゼッケンは”V8○○”(敢えて伏せます)
運命の再会である。
しかし、この時点でも人は多く、誰かに付いていくというのはそれだけで随分とエネルギーを消費するものだと実感する。
「餌」
1時間28分で折り返し、ペースメーカーの彼女のお陰かまずまず順調。
16km地点手前であったか、お母さんに連れられた、6歳くらいの子供が飴とキットカットをその小さな手一杯にして捧げてくれている。
寄っていって、「これを頂戴ね!」とキットカットを摘まむとお母さんの方を見てニッコリしている。可愛い笑顔だ。
なんか、物をもらっておいて、いいことをしたような気がするのも変なもんである。
あの男の子にしてみると多分、犬とか猫に餌を上げているようなところかもしれないが、とにかく施しをする喜びと施しを受ける喜びが合体したのである。
これだから青梅はやめられない。
「嘘」
折り返し以降、給水ポイントがドンドン増えてくるが、この給水ポイントの表示に「スポーツドリンク」とか書いてあるので、その度に立ち寄るがどれも「おいしい水」である。
いや、多分、きっと、間違いなく、最初はスポーツドリンクがあったのであろう…
これは遅く来た僕がいけないのだがやはりスポーツドリンクの字には×を付けておいて欲しいのである。
僕はその度に期待をし、減速し、「いただきま〜す」と言ってから、一口飲んで「あら、やっぱり」と屑入れに、を繰り返したのである。
実際、水でもなんでもいいときもある。
しかし、水と分かっていたら寄らない時もあるものである。
給水は本当にありがたいのですがどうか表示を正確にお願いしたいです。
「歓喜」
しかし、さすが青梅の応援!
これは20km地点手前であったか、娘さんとそのお母さんの差し入れで、お母さんがストローの刺さったリンゴジュースのパックを差し出してくれている。
あまりの素晴らしいプレゼントに、「このパックいいんですか?」と確認するとニコニコと肯いてくれる。
こんな気の利いた差し入れは初めてである。
なにしろ飲みかけのまま持って走れるのだから…
感謝、多謝!
「別離」
そんなこんなしているとペースメーカーの彼女を見失ってしまうのであった。
前方を探すと3mくらい先を彼女はそういったものには目もくれず右側を走り続けているのだ。
僕はその度にバナナを1本握り締めて追いかけたり、ジュースのパックを片手に追いかけたりを繰り返す。
そのうち、彼女は仲間と遭遇したらしく、連れ立って給水ポイントへと向って行く。
この時、僕の手には例のジュースパックがまだあり、給水による必要が無かったので先に走っていくとなかなか彼女がやって来ない。
ペースメーカーがいなくなると急に疲れが襲ってきた。
ペースを落として走っていると彼女が後ろからやってきて、僕を抜いていく。
しかし、僕はこの時点で残り10kmのペース配分を考え直したのである。
「彼女は僕より早い、付いていくと完走ができなくなるかもしれない…」
彼女はどんどん小さくなっていった。
「疲労」
前回の雪の中の記録を維持しようと前半のペースを昨年並に上げたが、やはりまだまだ練習不足なのであろう、そのペースを最後まで維持するのは無理だったようだ。
鎧橋を渡り、最大の難所の長い上り坂に差し掛かる。31回目のときより早い時間に到達しているはずだがこの足の重さは2年前と一緒である。
決して、止まらぬよう、歩かぬよう歩を進める。
フィニッシュは15分台に逆戻りかなという考えが頭をよぎる。
「余裕」
沿道の応援の人たちには本当に感謝している。
だから、いつも応援には応えるようにしている。
差し入れにもいつもお礼を言っているが、ある給水ポイントで、疲労に負けて、お礼も言わない、カップも道路に捨ててしまった。
捨ててしまってから、すぐ先の屑かごに気が付き、やはり後味が悪く、最後まで余裕を持とうと決心する。
そう考え直すと、ゆっくりでもしっかりしようと気合が入り、抜いていく人は多いがそれなりに走れるようになった。
青梅マラソンで、いつも思うが周りを見る余裕は残して楽しまねばいけない。
「記録」
ようやく、スタート地点に帰ってきた。
ここからが結構、長かったりする。今回は元気があまり残っておらず、スパートが掛けられない。あの信号で、いやいや、あの信号で、まだまだ、結局、河辺の交差点手前30mくらいから前を抜き始める。
フィニッシュ後、ストップウォッチを止めると3時間10分9秒90と出ている。
確か、昨年は6分台だったよなと思っていたので落胆していたが、実は17秒も更新していたのである。
僕は昨年の記録からスタート地点までの時間を差し引いて正味の記録を覚えていたので大きな勘違いをしていたのである。
しかし、30kmも走って、僅か17秒しか違わないというのはこの値が限界に近いのではと自分の可能性を否定したくなってしまう。
「対面2」
チャーリー黒川氏が「ひのき茶屋」で打ち上げをしてます。
と連絡をくれたので、着替えた後、挨拶に向う。
2階にあがり、座敷の人に聞いていると、後ろから「オオタさん?」との声
予想通り、屈強そうな黒川氏と初対面である。
「アドバイス通り、可愛い女の子見つけたんですが、ちょっと早すぎましたよ。」と戦況を報告。
なんでも、「ひのき茶屋」での仲間が少なかったので、分からないといけないと思って僕の携帯にも電話を入れてくれたと言う。
「奥さんが出られましてね、今日は持たされているって言ってましたよ。」
(実は今回は家族が応援に来れなかったのでカミさんのPHSでは不安だったので僕の携帯を預けておいた。)
完走してくるかも分からない僕の携帯をメモっていてくれたのだからありがたいものである。青梅の出会いは楽しいものだ。
「再会2」
河辺のプラットホームで僕のペースメーカーであった彼女を見かける。
かなり元気そうだったので、どれくらいで帰ってきたのか知りたかったが、流石にそれは聞けなかった。
なんか、ストーカーになった気分だ。
(翌日、記録を調べるとタイムが入ってなかった、つまりタイムアウトないし棄権)
ますます、あのまま彼女に付いて行けたら、最後にどうなったのか分かったのにと思うと残念である。
やっぱり、ストーカーだな…
一般30キロ 男子の部
ゼッケン | 8131 太田 秀昭 |
記 録 | 3時間10分10秒(17秒記録更新) |
順 位 | 7336位 |
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